クリスタルボウルを壊さないために大切なこと【長文】

クリスタルボウルは「シリカ」という砂を超高温で溶かして製造しています。ほとんど「石」のようなものなので、汚れたら丸ごと水洗いできるし、内側にキャンドルを入れることもできるし、ギターやバイオリンなどの楽器に比べるとはるかに取り扱いは簡単です。

唯一の弱点は「強い力が加わると割れてしまう」ということ。

本日は、クリスタルボウルを壊さないために気をつけたいポイントをご紹介します。

収納・保管時の注意点

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クリスタルボウルは鳴らしている時間よりも、収納・保管している時間の方が長いはず。基本を見直して、安全に収納・保管しましょう。

ボウルを重ねすぎない

サイズが違うクリスタルボウルであれば、ひとつずつをビニール袋に包んでお茶碗を重ねるように「入れ子」にできますが、重ねるのは最大でも3つまでに留めておくべきです。あまりたくさん重ねると、一番下のボウルにはものすごい重量がかかってしまいます。

軽量なウルトラライトボウル/クリアーライトボウル/アルケミーボウルの内側へ、重たいクラシックフロステッドボウルを入れるのも危険です。

側面からの衝撃を防ぐ

側面へ強い衝撃が当たると、ボウルは簡単に割れてしまいます。クリスタルボウル用のケースに入れるか、プチプチや発泡スチロールで保護するようにしましょう。

ケースはクリスタルボウル サウンド・バスSHOPで販売しています。

上部からの圧力を防ぐ

見落としがちだけどとても大切なのが、上部からの圧力を防ぐことです。たとえば、クリスタルボウル用のケースを使えば側面の衝撃を防ぐことはできますが、ケースの上に重たいものが乗っかってきたら、ボウルは押しつぶされてしまいます。

私は固いダンボールをカットしてケースに挟むことで、上部からの圧力を防げるようにしています。ボウルケースの上に重い荷物を置いたり、座ったりしないように注意しましょう。

出しっ放しにしない

見た目も美しいクリスタルボウルはお部屋の中に飾っておきたくなりますが、小さなお子さんがいる場合などはケースに収納しておいた方が安全でしょう。地震で落下しないような配慮も必要です。

ボウルの上下をひっくり返して逆さまにしておけばグラグラすることはなくなりますが、ボウルの上部のフチ(リム)は演奏にとても大切な箇所なので、私はあまり好みません。

温度変化を防ぐ

これは推測の話です。

カラフルなアルケミーボウルは「何もしていないはずなのに割れていた」という話を、4人から聞いたことがあります。正しく収納していたのに、気がついたら割れていた、と。

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また、書籍「クリスタルボウルに魅せられて」でも、自然に割れることについて言及されていました。

何もしていないといっても、何かが変化して影響を与えているはずです。ひょっとしたら、温度の変化が原因かもしれません。

ふつうのガラスは自然に割れませんが、ワイヤー入りのガラスは温度の変化で割れてしまいます。熱が与えられたときのガラスの膨張率とワイヤーの膨張率に差があるためです。

アルケミーボウルには水晶(シリカ)以外の素材が加えられています。車の中や窓の近くなど、温度変化が大きな場所には置かない方がよいかもしれません。

運搬時の注意点

もっとも多いのは運搬時の破損です。今日は演奏会だー!と会場に到着して、ボウルケースを開いたら割れていた・・・という悲しいことが起きないよう十分に注意しましょう。

ムリをしない

シンプルだけど、とても重要なのは「ムリをしてまで運ばない」ということです。運搬に疲れるようであれば、ボウルの数を減らしたりタクシーを利用しましょう。

入れ子のスキマを防ぐ

8インチボウルの中へ6インチボウルを入れるように、サイズが2インチ以上異なっている場合はボウルとボウルの間に大きなスキマができてしまいます。この状態で持ち運ぶと、ケースの中でボウル同士がコツコツとぶつかることになります。

スキマができるようなときはプチプチなどを間に挟むようにしましょう。ケースを持ち上げて左右に揺らし、コツコツといった音が鳴らなければ大丈夫です。

二重の壁を作る

飛行機の預け荷物にするときなどは二重の壁を作りましょう。ボウルケースに入れたものをダンボールに入れて→そのダンボールをプチプチで包んでさらに大きなダンボールに入れる、という感じです。こうすることで、外側の箱にダメージが加わっても、内側のもうひとつの箱までダメージが伝わるのを防げます。

それぞれの箱のサイズが同じくらいではプチプチを入れることができませんので、数cmの差がある箱を選びましょう。

大切なものが入っている雰囲気を作る

公共機関でボウルを運ぶときには、「ここに大切なものが入っていますよ」というのが分かるようなカバンを選んでみましょう。普通すぎるトートバッグやリュックサックだと、まわりの人は壊れ物が入っているとは思いません。

 

オランダの自転車メーカーがアメリカへ商品を発送する際、あまりに破損率が高かったのでダンボール箱に液晶テレビの絵を描いたら丁寧に扱ってもらえるようになったという逸話があります。雰囲気を出していきましょう。

演奏時の注意点

最後に、クリスタルボウル サウンド・バスイベントで気をつけるポイントをご紹介します。お客さんを目の前にしてボウルを割ってしまった・・・という怖いことが起きないように注意しましょう。

すべてのアクセサリーを外す

ネックレスや指輪、腕時計などの金属類がボウルに当たると非常に痛い音を発し、破損させてしまう恐れがあります。アクセサリーはすべて外しましょう。指輪のように外しにくいアクセサリーは、絆創膏を指の上に貼ってカバーすべきです。奏者だけでなく、ボウルに近づいてくるお客さんにも同様のお願いをしましょう。

クリスタルボウルを演奏するときにアクセサリーは必要ありません。リスクは少しでも減らしましょう。

片手で持ち上げない

特に大きなサイズのボウルの場合、側面を片手で持って持ち上げると、ものすごく大きな力が側面にかかってしまいます。ボウルを持ち上げるときは両手で抱えるように持つのが基本です。

片手で持ち上げるのはNG

同様の理由から、ボウルを手の上に乗せて演奏するのは避けるべきです。手の上に乗せる=片手で持ち上げるということになります。手の上に乗せて演奏するのは音の面において何もメリットがありません。メリットがないことを演奏中に行うのは誰のためにもなりません。

大きな音で鳴らさない

マレットを振りかぶってゴイーンと叩いたり、全身で勢いを付けてグワングワン回すような演奏は聞いている人にもダメージを与えますし、ボウルにもダメージを与えています。ヒーリングの演奏に力は必要ありません。大きな音が鳴る=ボウルが大きく振動しているということなので、場合によっては音の出し過ぎで破損してしまうことがあります。

クリスタルボウル サウンド・バスは「聞いている人の内側にあるものへ集中させる」行為です。「私が癒しのパワーを与えるんだから!」というようなエゴ丸出しのゴッツンゴッツンな演奏は止めましょう。小さな音ほど耳を澄まし、感覚が鋭敏になります。大きな音は耳を閉ざし、感覚も閉じていきます。

急に音を止めない

音を発している最中のボウル=振動している最中のボウルに手を触れたりして急激に音を止めるのは、自動車の急ブレーキのようにとても危険です。鳴っているところに触ってみたくなるお客さんもおられるので、きちんと説明して注意してもらいましょう。

音の振動を肉体的に体験してみたいなら、身体の上にボウルを置いて鳴らしてみましょう。

乱雑に扱わない

クリスタルボウル サウンド・バスという癒やしの時間。丁寧な気持ちでボウルに接しましょう。「早く準備しなきゃー!」というような気持ちでは、演奏もうまくいかなくなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

クリスタルボウルは確かに壊れ物ではありますが、正しく取り扱えば簡単に割れるようなことはありません。私は毎週のように日本中へボウルを持ち運んで演奏し、10年以上割れることなく使い続けています。

そして、クリスタルボウルは長く使えば長く使うほど、よい音が鳴るように感じています。ハーモニーもどんどんよくなっていくような気がします(これはまた別のブログで書きます)。

私が使っているボウルたちは決して高級品ではありません。どちらかというと廉価品として販売されていました。しかし、高価なアルケミーボウルを使っている人にも「すごくよく鳴るボウルですね!」と驚かれます。

どんなクリスタルボウルでも世界にひとつだけの存在です。大切に使い続けましょう。

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