クリスタルボウルは感性で演奏するの?という質問への、とても長い回答

昨日は中目黒Under the Treeでクリスタルボウルを演奏しました。来週は名古屋、来月は札幌でも開催します。

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クリスタルボウルに興味がある方から、「演奏は感性でするものですか?」や、「センスは必要ですか?」という質問をいただくことがあります。

その答えは、半分は「はい」で、半分は「いいえ」です。とても長くなるので、ブログでもご紹介します。

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話が飛びますが、私は極端な方向音痴です。地図や空間を認識することがまったくできません。道に迷うのは日常茶飯事。一軒家の中で迷ったり、温泉の露天風呂に出たら、入口がどこだったか分からなくなるほどです。

人間には得意・不得意があります。努力だけではどうにもならない部分があるからこそ、私たちは愛情を持って他者に接することができます。努力して全員が同じように完璧になれるなら、世界はもっと殺伐としているはずです。

クリスタルボウルの演奏も同じです。すぐにコツをつかめる人もいれば、なかなか上達できない人もいます。

だけど、「感性を磨くための方法」はあります。方向音痴の私がスマホのGPSを手放せないように、手助けになるものを使えばよいのです。

 

たとえば、「やさしく鳴らしてみましょう」だと、その人が持つ感性に委ねられてしまいます。

「ネコを撫でるときのように、やさしく鳴らしてみましょう」だと、少し具体的です。

「このマイクで音量を計測しているので、赤いバーのところギリギリくらいの音量で鳴らし続けてみましょう」だと、感性は必要ありません。

 

また、「気持ちよく叩いてみましょう」と、「雨音のように叩いてみましょう」と、「メトロノームに合わせて叩いてみましょう」でも、まったく違いますよね。

 

私も最初は分かりませんでした。どうやって鳴らしても、心地よくないのです。私の場合は、世界中の宗教音楽やメディテーション音楽を聞きまくって、少しずつ感性を磨いていきました。いまの私の演奏を心地よく感じてくれる人がいるならば、それは「私の感性」ではなく、「私が身につけてきた感性」によるものです。

 

一番よくないのは、感性だけを意識しすぎて、そこへ到達するテクニックを考えないこと。

これは、指導者側にも問題があります。難解な用語で誤魔化したり、「これが分からないうちはまだ半人前」と突き放したりするのは、誰かに何かを教える人間がやるべきことではありません。

料理教室へ通っているのに「おいしい料理を作りましょう」と言われるようなものです。そうではなく、醤油と砂糖が大さじ一杯で・・・という、レシピがあるからこそ、感性は磨かれていきます。

 

「演奏は感性でするものですか?」や、「センスは必要ですか?」という質問について、半分の「はい」は、「そのとおり」ということ。クリスタルボウルに楽譜はありません。だけど、もう半分の「いいえ」は、「いまのあなたが持っている感性やセンスだけで演奏するのではなく、磨いていけるもの」ということです。

クリスタルボウル サウンド・バス スクールは、そういった内容のスクールです。ご興味ある方、どうぞ。

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